[感想]『ダンケルク』
私バター猫は戦争映画というのをこれまでの人生であまり観たことがありませんでした。
というのも、創作というものは本でもアニメでもフィクションが面白いという考えを持っていたためです。
SFやファンタジーなどの決して現実にはありえない空想世界での出来事こそ、自分を楽しませてくれると信じています。
その考えは未だに変わりませんが、この『ダンケルク』を観て、価値観が少し変わりました。
気になった点
この映画で気になった点はほぼありません。笑
それほどに高い完成度の戦争映画でした。
しいて挙げるとすれば、劇中出てくるイギリスの戦闘機、スピットファイヤが強すぎること。
戦場を忠実に再現しきったこの映画でたったひとりで空を無双していくのは、少しリアリティに欠けるものでした。
しかしそれも演出のため。と言われれば納得できる範囲ではあります。
面白かった点
この『ダンケルク』には明確な主人公というものがなく、空、陸、海の視点でこの戦場を多面的に切りとっていきます。この構成が見事。
撤退戦というだけあって立場の違うそれぞれの登場人物は、色濃く迫る死と敗北の予感に必死で抗っていきます。
観ているこちらも呼吸を忘れるほどの緊張の連続。
何が起こってもおかしくない戦場に、自分も立っている気分になりました。
これまで戦争映画というジャンルにまるで興味がなかった私をここまで惹きつける『ダンケルク』。みなさまも一度観てみてください。