[感想]『ブラッドハーレーの馬車』 沙村広明
本日はこちらのマンガの書評をしていきます。
『ブラッドハーレーの馬車』
資産家・ブラッドハレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する……そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる――。
設定はエロいが、しかし......
このマンガは設定だけ見てみると、孤児の少女達を騙して囚人達の性欲処理の対象にするという実験の様子を描いたもの。
ですが内容の方は想像の倍ほどハードなものでした。
まず登場する女の子達が可哀想すぎる。
華やかな舞台から一転して地獄のような場所へ連れて行かれる彼女たちの絶望は筆舌に尽くしがたいものがあるでしょう。
そんな彼女たちを可哀想に思う人間も出てきますが、どの話も救いがなく誰も幸せにはなりません。
しかしそれゆえに作品中に漂う空気は並のものの比ではなく、苦いものを飲み下したあとのよな読後感は癖になるものがありました。